【フューチャーワーク研究会】
第2回「フューチャーワーク研究会」開催

第2回フューチャーワーク研究会の会場
第2回フューチャーワーク研究会の会場
 11月1日、第2回フューチャーワーク研究会を丸ビル コンファレンススクエアで開催した。
 オフィス環境の研究をテーマとしている京都工芸繊維大学 仲隆介氏は欧米の事例を紹介しながら、これからのオフィス環境の課題は何かを解説。日本アイ・ビー・エムの永野正紀氏は、同社が推進している新しいワークスタイルについて紹介した。

仲氏の講演から

京都工芸繊維大学の仲氏
京都工芸繊維大学の仲氏
 オフィスを考えるとき、中心的な課題は「効率」から「効果」へと変わりつつある。現代において重要視されるクリエーティブな仕事には、効率という考え方がそもそもなじまない。これに伴って、必然的に物理的な環境も変化を遂げていくはずだ
 プロダクション(生産)の時代からプロジェクション(創出)の時代へ変化しつつある、とも言える。つくるべきものが自明なプロダクションの時代は終わった。生み出されるべきアウトプットが見えないプロジェクションワークになると、仕事のプロセスも毎回異なってくる。こういう状況では、仕事をどのように進めていくかを考える「ワークデザイン」と呼ぶべきステップが必要になってくる。
 効果的なワークデザインには、4つのポイントがあると考えている。相互作用の活性化、ビジュアライゼーション、発想支援、知識の資源化だ。
 自分自身は、特にネット上の情報空間とリアルな空間をどうつなぐか、という点に興味がある。その両方を併せ持ち、かつパブリックな「第三のワークプレース」とでもいうべき空間が、人々をつないでいくようになる可能性もあるのではないか。

永野氏の講演から

日本アイ・ビー・エムの永野氏
日本アイ・ビー・エムの永野氏
 日本・アイ・ビー・エムでは現在、「オンデマンド・ワークスタイル」という新しい働き方の実現に取り組んでいる。2004年1月から、製造業向けの営業担当者約900人を対象に試験的に導入してパイロット評価を行った。同年9月からは箱崎事業所(東京都中央区日本橋)の全営業職を中心にとした5000人を対象に、本格的な展開を進めている。
 座席のフリーアドレス化や、互いに知恵を出し合うための「コラボレーション・スペース」の設置など、オフィス環境を大きく変えている。またいくつかのエリアにモバイル・サテライトオフィスを設置し、事業所に戻らなくても業務ができる体制も整えつつある。
 この取り組みの最大の狙いは、顧客中心の組織体への変革だ。営業担当者の顧客訪問回数を上げることはもちろん、営業から各分野のスペシャリストまで、様々な組織が垣根を越えてチームを編成し、顧客のニーズに応えていく体質へ変貌を図っている。そうした観点から、関連する部門を1カ所に集中させ、部門間のコミュニケーションを活性化するということも重視している。
 パイロット評価で、顧客訪問時間が最大4割増えるなど、早速成果も出始めた。自由度の高い働き方ができる一方で、若手の育成や状況の把握がしにくくなる場合もあるなど、課題は残されている。そうした課題を制度的に補っていくことも必要だ。もちろん、セキュリティーの問題には慎重に対応している。
 新たなソリューションを生み出すためのコラボレーションが、次につながるイノベーションを促していく、という成長サイクルの実現に、このワークスタイルが貢献していくと考えている。

ディスカッションから

 ディスカッションでは、物理的な環境と組織形態の関係、契約社員や派遣社員が増える中でのセキュリティーと情報共有の両立などの点について、質問やコメントが相次いだ。研究会主査の古矢眞義氏から、欧州の先進的なオフィスづくりを進めている企業の紹介もあった。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL
http://www.nikkeidigitalcore.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/69

メニュー