2005-6-30

【緊急コメント : P2P米最高裁判決】
事実確認が不足、判決は時期尚早

慶應義塾大学 経済学部助教授 田中 辰雄氏

 私は著作権問題は経済問題であると考えているので、今回の判決は残念なことであると思います。経済問題として考えるなら、次の2点の事実確認が決定的に重要です。


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【緊急コメント : P2P米最高裁判決】
フェアユース判断基準への原点回帰

新潟大学法学部 助手 須川 賢洋氏
 
 今回の判決を出すにあたって合衆国最高裁がとった手法は、誠にシンプルかつ明瞭なものであったと言えるのではなかろうか。すなわち、高度な技術論や法解釈論に踏み込むのでなく、P2Pソフトの性質と被告:GROKSTER社の行為を「フェアユース」の判断基準に再度当てはめてみた結果、アンフェアだとの結論を導き出したと言えよう。


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2005-6-29

【緊急コメント : P2P米最高裁判決】
違法コピー氾濫に警鐘――DRMの標準化に期待

東洋大学 経済学部 教授 山田 肇氏

 
 インターネットによって違法コピーが氾濫(はんらん)する事態に警鐘を鳴らした判決だ。この判決を受けて、今後は、デジタル著作権管理(DRM)が広く利用されるようになって行くだろう。


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【緊急コメント : P2P米最高裁判決】
技術中立性を貫いた米最高裁――ソニー判決そのものは覆さず

成蹊大学教授(米国弁護士)城所 岩生氏

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 4月13日付、NIKKEI NET「ネット時評」に「原審差し戻しか?― P2Pソフト著作権侵害訴訟、米最高裁での口頭弁論を傍聴して」を寄稿した。その最高裁判決が下った。ソフト配布者の著作権侵害責任を認める予想外に踏み込んだ判決だった。9判事全員一致の結論だったのも、今回見直しを迫られた21年前のソニー・ベータマックス判決が5対4のきわどい判決だっただけに意外だった。法の番人の頂点に立つ最高裁判事達にとって違法ファイル交換のまん延は容認できないということで、踏み込んだ判決になったのかもしれない。


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